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マラソンコース上で大学生が見つけた・きらり☆いしかり(創成川通り)

創成川通り/札幌学院大学人文学部英語英米文学科2年 瀧沢友那さん
札幌市中央区南5条西1丁目~札幌市北区北23条西2丁目
※令和3年6月取材

マラソンレース中盤に姿を現す自然にあふれる札幌中心部の大通り

オリンピック・マラソンコース中盤、南七条大橋を渡った後に現れるのは、札幌の中心部の東西を結ぶ創成川通です。創成川は、1866年に開削された大友堀という運河がもととなっており創成川通は昭和47年に開催された札幌オリンピックを契機に整備された道路です。創成川の周辺には緑にあふれる木々や、季節ごとに楽しめる様々な花が植えられている自然豊かな通りです。

緑と水とアートに囲まれた憩いの場

創成川通には、親水緑地空間である創成川公園があります。創成川公園は、平成23年4月に水と緑に親しめる憩いの場として、札幌テレビ塔の東側を流れる創成川の南4条から北1条間両川岸に誕生しました。都心部における貴重な水辺と、緑豊かな並木が織りなすこの公園は、札幌市民に親しまれています。川のせせらぎを感じながら散策ができるよう、二段護岸に整備されており、水辺へのアプローチ階段や飛び石が設置されています。また、創成川公園には様々な18作品ものアート作品があり、特にさっぽろテレビ塔のすぐそばにあるスノーリングという作品は、大きな円型の道となっています。その他にも特徴的な彫刻が様々なところに点在しているため、野外美術館のような空間の中を散策することができます。水と緑が創り出す創成川公園は、「また歩きたくなる、訪れたくなる」と思うことのできる心地よい場所であり、おすすめの場所です。

歴史ロマンあふれる創成川通り

創成川公園を歩くと、珍しい石造りの橋、創成橋があります。さらに、近くに大友亀太郎像を見つけることができます。大友亀太郎は札幌村(札幌市東区)開拓の祖とされ、創成川の元となる大友堀を築きました。明治2年にその大友堀に用水路として造られた木製の橋が、初代の創成橋でした。その後、創成橋のある南1条通と創成川は、札幌の都市軸の基線となりました。しかし、明治42年に創成橋が流失したため、翌43年に石造りアーチ橋として架橋され、札幌市内に現存する最古の橋として100年間札幌中心部で東西の往来を支え続けてきました。なお、同じ石造りアーチ橋で都市の基線となっている東京の日本橋にちなんで、「札幌の日本橋」と呼ばれることもあります。

創成橋は現在、当時の姿で復元されており、歴史ロマンあふれる創成橋と、園内で憩う市民らの様子を眺める大友亀太郎像を訪れると、今でも札幌の歴史の風を感じることができます。

アスリート達の熱を感じよう

オリンピックのマラソンコースの中では、ひときわ長い直線だった創成川通について、印象に残っている方も多いのではないでしょうか。この創成川通で繰り広げられた数々のドラマを思い出す方も多いことでしょう。創成川通は直線の道路で勾配もゆるく、幹線道路のため信号は多いですが、実際のマラソンコースを追体験しやすい場所です。休憩場所となる創成川公園もあり、自然に触れながら体を休めることもできます。また、札幌駅、大通駅や、市営地下鉄南北線の北12条駅、北18条駅、北24条駅の各駅からコースに簡単にアクセスできます。みなさんもぜひ創成川通でアスリート達の熱を感じてみてはいかがでしょうか。

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