食べる

おいしさそのまま、刺身で提供したいという「支笏湖チップ」の挑戦。

千歳市観光スポーツ部観光課/課長吉見章太郎さん
●千歳市東雲町2丁目34番地 (千歳市役所)
※令和3年6月取材

おいしさそのまま、
刺身で提供したいという「支笏湖チップ」の挑戦。

11年連続で水質日本一に輝く支笏湖を舞台に、これからの飛躍を秘めたブランド名を得て、新たな歩みを始めた「支笏湖チップ」。いま、このチップを釣りたてと変わらないおいしさのまま食べてもらいたいと支笏湖漁業組合から、急速冷凍した「お刺身」を令和2年度から開発し、順次発売予定となっています。「支笏湖チップ」にかける思いを千歳市観光スポーツ部観光課の吉見章太郎さん(以下、敬称略)に伺いました。

 

より多くの人に知ってもらい、後世に伝えていくために。

———支笏湖チップの由来をお聞かせください。

吉見 明治27年、原産である阿寒湖から支笏湖にヒメマスが移植されました。支笏湖での人口養殖が始まった当初は、アイヌ語の「カバチェッポ(薄い魚)」と呼ばれていました。「チップ」は「チェッポ」に由来しています。その後、明治41年、北海道庁水産課技師の「紅の小なるは姫に通ず」という提案により、翌年に「姫鱒(ヒメマス)」という和名が命名されました。支笏湖では大正時代に入るとヒメマス釣りが盛んに行われるようになり、釣り人や地元の人の間で「チップ」という名称が定着していました。平成19年に設立した支笏湖漁業協同組合では、支笏湖産ヒメマスをより多くの人に知ってもらい、後世に伝えていくため、平成30年にブランド名称を「支笏湖チップ]に統一しました。
たとえば東京の人に支笏湖の概要を伝える時、このような例えをすることがあります。「山手線は1周34.5kmで支笏湖の外周は約40km。東京タワーは高さ333mで支笏湖の最大水深は360m。山手線も東京タワーも支笏湖にドボンと入ります」。このスケールを持つ湖が生み出すこれからの可能性に今、私たちはワクワクしています。

支笏湖を守っている人々に還元するためにブランド化。

———支笏湖のチップは昔からとてもおいしいと知られていました。そのおいしさには理由があるのでしょうか。またブランド化への経緯を教えてください。

吉見 支笏湖は、カルデラ湖であり流入河川が少なく原生林に囲まれており、また国立公園として、宿泊施設やリゾートの開発や油を排出するエンジン付きボートなどの動力船の乗入れなどを厳しく規制しており、地域の方々がゴミ拾い(湖面や湖底を含む)などの自然保護活動を長年続きてきたことから、11年連続で水質日本一にも輝いた湖です。
支笏湖チップは、その美しい支笏湖で、水が綺麗なので餌となる小魚が少なく動物性プランクトンを主食にし、水深が深いためどんな季節でも適した水温の深さで生息していることから川魚特有の臭みがなく、脂がのって美しい紅色の身となるのです。
千歳市と支笏湖漁業協同組合では、毎年185,000匹の支笏湖チップをふ化放流し、資源量は増加してきましたが、その釣果の多くが札幌や苫小牧などの域外の市場に出回っており、支笏湖地域では食べられますが、地元の特産品として有効に活用されていませんでした。そこで地元が日本一のヒメマスと誇っている「支笏湖チップ」を支笏湖を守っている人々に還元するためブランド化に取り組みました。

「断然チップのお寿司がおいしい」と大好評をいただいて。

———支笏湖チップがこれから目指していくことを教えてください。

吉見 6月から8月の解禁期間に釣れる夏魚である支笏湖チップは、地元のホテルや食堂で刺身や塩焼き、フライで提供しています。支笏湖漁業協同組合では、産卵後の親魚の有効活用として魚醤「姫しずく」を製造。今後は「支笏湖チップ丼」、「支笏湖チップ手毬寿司」、支笏湖チップ、ニジマス、ブラウントラウトの「3種の燻製」、釣りたての支笏湖チップを急速冷凍した「お刺身」を令和2年度から開発して、順次発売予定です。
今まで何度か首都圏の百貨店で開催された北海道フェアに支笏湖チップを出品してきましたが、いつも大好評をいただきました。チップの寿司と、その他の寿司を同時に提供してみたのですが、「断然チップのお寿司がおいしい」と大人気でした。
本来であれば、新鮮な状態で食べてもらうことが、支笏湖チップのポテンシャルを実感してもらえますが、支笏湖漁業協同組合や地域では、釣ってから保存までにこだわって、より新鮮な近い状態での保存方法を確立し、その素材を基にした商品開発に全力で取り組んでいます。支笏湖漁業協同組合では北海道大学水産学部や千歳水族館の協力を得て、「支笏湖チップ活魚プロジェクト」により、一番おいしい食べ方である活魚での提供を目指してプロジェクトを進めています。

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